ネットピアノ  Cコード一覧 


■ コードを学ぶ前に

コードを学ぶために、いくつかの事前知識が必要です
まず最初に代表的な音名を確認しておきましょう

■ Do Re Mi Fa Sol La Si Do=イタリア語(ドレミファソラシド)
■ ハニホヘトイロハ=日本語
■ CDEFGABC=英語
■ CDEFGAHC=ドイツ語(ツェー デー エー エフ ゲー アー ハー ツェー)



この中で今後使用するのは英語75%伊語20%日本語5%です
これは英語表記が音名であり、コードを示す役割を兼ねているからです
例、「Cという音名」は「ド」を示すと同時に「Cというコード」は「ドミソの和音」を示す
また日本語で言う○長調、○短調と言うものも英語表記する
例、ハ長調=C、イ短調=Am(これを一般的にキーと称する)

まず最初に完璧に覚えておく事は、ド=C、ソ=Gといった「伊英」の音名表記と
そのNo.です(C=1の時A=6)
日本語のハニホ...は今後ほとんど出てきませんので軽視して良いです



■ 基本コード(135度)

コードはアルファベットと数字の組み合わせや「+−/」等の記号で表記します
では基本中の基本から説明していきますがギター奏者もまずは鍵盤で構成を覚えて下さい
最初に説明するコードは「C」です
一般的には省略されていますが「C」=「Cメジャー」という事を覚えておいて下さい

コード「C」は音名「CEG」の3音で構成されています(伊:ドミソ)

C_C_F.gif

この場合1度である「C」音を
ルート(根音)と言います
その他「E」が3度、「G」が5度の位置にあり、その音程の関係を
インターバルと言います
数字で言えば「135度」なので、正確に表記するならば「C135」となりますが
それでは長くなり不便なのでこの3つの数字は表示せず「C」だけとなります

そしてここでしっかりと覚えてほしいのが「CEG」の間にいくつの音があるか、という事です


まず
「C-E」間には3個(この関係が長3度) 「E-G」間には2個の音があります
このインターバルで構成されるコードがメジャーコードに分類されます
では
「C」というコードをまとめると
「1度(ルート)をアルファベット表記し、メジャーを省き、長3度・完全5度を非表示」したもの
これは「C」に限らず「F」や「A」のようにアルファベット1文字のコード全てに当てはまります

次に「メジャー」の反対の「マイナー」に進みます「Cm」


コード「C」の「CEG」から「E」の音だけが半音下がり「E♭」になった結果


「C-E♭」間には2個(この関係が短3度) 「E♭-G」間は3個になりました
このインターバルで構成されるコードが「Cマイナー」であり「Cm」と表記されます(注:mは小文字)
では
「Cm」というコードをまとめると
「1度(ルート)をアルファベット表記し、短3度(マイナー)を「m」と明記し、完全5度を非表示」したもの

「C」と「Cm」の違いはわかりましたか?
そのコードのメジャー・マイナーの区別はルート音から見て3度の音が「長か短」で決定する という事です

「C」や「Cm」コードを丸暗記するのではなく、この理論をしっかり覚えておけば、
この先どんなキーでどんなコードが出てきても容易に把握出来ますので頑張って下さい!

三和音で構成されるコードを「
トライアド」と言います



■ 4音のコード

今回は「C」コードにもう1音加えた4音のコードの説明をします

まずは「C6」(シーシックス)


ルートの「C」から6番目の「A」を加えたコードです(「G-A」間に1個の音が有ります)
これは簡単に覚えられると思います
また3度の「E」を半音下げて「E♭」にすると
「Cm6」となります

次は「C7」(シーセブン)(セブンスが正解なのでしょうが日本ではセブン発音が多いようです)


ルートの「C」から7番目の音を半音下げB♭を加えたのが「C7」です
3度の時は半音下げたものを「マイナー(m)」と表示したのに
なぜ7度では「マイナー(m)」表示をしないのでしょうか?
答えは「マイナー」の混乱を避けるためです。
「Cm」というマイナー3度を優先するコードがあるので7度は逆(メジャー表記)の表示をします

次のコードが「CM7」(シーメジャーセブン)です(C△7 とも表記します)


「7」のコードは7度の「B」を加えたものが「CM7」
7度の半音下げた「B♭」を加えたのが「C7」となります


さらに3度の音「E」を半音さげた「マイナーコード」では
それぞれ
「CmM7」 「Cm7」となります





■ +5、−5のコード

前回は「C」のコードを基準にして「C6」「C7」「CM7」を学びました
これは「C」のコード構成の3音に1音を加えた4音のコードでした
今回は5度である「G」の半音上げ、半音下げのコードを説明します

3度の音を半音下げた時は「m」で表しましたが5度の場合は「+−」で表記します(日:増減)
「+−」の代わりにそれぞれ「#♭」で表記する場合もありますが個人的には「+−」をお勧めします
これは「E♭」などのキーの時に「E♭♭5」と表記されて紛らわしいからです

5度の「G」を半音上げて「G#」にしたコードが「C+5」 (「C+」と5を省略する場合もあります)


このコードは
「Caug」としても次回に説明します

5度の「G」を半音下げて「G♭」にしたコードが「C-5」


ここでの注意点は5度の
「G」音は弾かない という事です
これは半音関係の2音を同時に弾くと不協和音になるからです

「+5」=「−6」 「−5」=「+4」でも良いのでは? と思うかも知れませんが
コードでは奇数を上げ下げした表記をします
m、-5、+5、7、-9、+9、+11、-13 で全部です(キーがCの時の黒鍵)
(例外:昔は+9を-10と表記する人もいました)

マイナーコードの
「Cm+5」「Cm-5」も確認しておいて下さい


ここでインターバルについて少し触れておきます
「C〜G」の間には6個の音があります
このインターバルの関係を「完全5度」と言います(P5:パーフェクトフィフス)
これはギターなどでよく使う「パワーコード」です

「C」をルートとした場合のそれぞれの関係を図にしました
日本語の呼び名は軽視しても赤文字のコード表記はしっかり覚えて下さい




■ その他のコード

「Csus4」(シー サスペンデッドフォース、略:シー サスフォー)


3度の「E」は「F」と半音関係なので弾きません
これに「B♭」を加えた「C7sus4」がよく使われるコードです


次は「Caug」(シー オーギュメント、シー オーグメント)別表記は「C+5」「C+」
前回説明した「C+5」と同じです
このコードは各音のインターバルが全て長3度で構成されています
よって「Caug」=「Eaug」=「G#aug」となります


次は「Cdim」(シー ディミニッシュ、略:シー ディミ)別表記は「
このコードは各音のインターバルが全て短3度で構成されています
よって「Cdim」=「E♭dim」=「G♭dim」=「Adim」となります


最後に「Cm7-5」 別表記は「


dimコードの1音違いなので「ハーフディミ」と呼ばれています(半分dim)

4回に分けて説明してきましたが1オクターブ内で構成される基本コードはこれで全てです
1オクターブを越えて9度、11度、13度を加えるコードは「テンション」で説明します



■ ここまでのコードのまとめ

前回までコードの説明は全て「C」をルートとして説明してきました
今回はC以外のコードで確認していこうと思います
まず「C6」を例に考えてみましょう
それぞれのインターバル間に3、2、1個の音があります


では「D6」と「E6」のコードを見てみましょう
このようにインターバルを考えて正しいコードをしっかり覚えて下さい
当然の事ですが「D」のコードでは「D」がルート(1度)になります(例:5度がA)
まずは「C」のコードでしっかり覚えて理論的に全てのキーに当てはめて下さい



■ 練習法&早く覚える方法
それぞれのキーでのドレミファソラシドを弾けるようにします
そして各キーでの「135度」を弾いて下さい
その後はインターバルを確認しつつ全てのコードを把握します
これを繰り返し練習をする事で「音感」も養えます

■ ここまでの流れを簡単にまとめます
「C」の「135度」に音を加えます
加えた音が
「6度」=「C6」 「マイナー7度」=「C7」 「メジャー7度」=「CM7」
「5度」の
「G」を半音下げたのが「C-5」 半音上げたのが「C+5」
上記のコードから「3度」を半音下げたのが「マイナー(m)コード」です



■ テンション

基本的な和音構成に、ある非和声音を積み重ねると一種の緊張感をもたらすことができます

テンションは主に「6コード・7コード」の上に構築されます
種類は「−9」「9」「+9」「11」「+11」「13」「−13」の7個です
下図は「C7」の上に構築されるテンションの位置です


テンションの表記例:C7-9、C△7(+11)、Cm6(9)
C9と表示の場合はC7に9度の音を加えます(わかりやすく「C79」と表示する場合も有ります)
C(9)の場合はCに9度の音を加えます(マイナー7度のB♭は入れない)別表記:Cadd9
(addのコーナーでも触れておきます)
ここでは使用頻度の多い「−9、 9、+9」まで覚えれば十分でしょう
+11、−13は主にジャズで使用される事が多いので学びたい人はジャズ系をググって下さい

■ 片手で弾ける範囲
5音構成のコードは片手では弾けません
C7-9のコードの場合は左手でC、残りの音を右手で弾くのが一般的です(ソロの場合)


テンションノートは強調したい場合は一番高い音にもっていきますが
特に決まりはないので色々な転回を試し音を弾き比べてみて下さい Pchord
Pchord ではルートを省いて説明しているコードが多々見かけます
ソロとバンドの時では弾き方(弾く音)が変わるので後に詳しく説明します


■ 分数コード(on chord)

まず下図を見て下さい
低音部が「D」の単音、高音部のコードは「C」です


一般的にはBassやソロピアノの低音部ルートと構成されるコードが異なる場合に使います
表記は です
この場合の「C」はコードで、「D」は単音です

下記は自作曲の一部のコード進行です
このようにコード内の一部の音を一定の音程で移動させる手法を「クリシェ」と言います
詳しくは「コード進行」のコーナーで説明します




■ 独奏と合奏

ソロや弾き語りの時とバンドでの合奏では弾く音(弾き方)が違います
ソロの場合は他の楽器がないので自由に弾いてかまいませんが
バンドの場合普通はBass奏者がいると思います
その時に低音部を弾くとBass音とかぶってしまうのです
これはギターにも同じ事が言えます
バンドで演奏する時には通常低音部(5〜6弦)は弾かないようにします
フォークギターでフレットを人差し指で覆うバレーはエレキギターではあまり使いません

ピアノはソロの場合を優先し低音部(左手)でルート、残りのコードを右手で弾く練習をし
バンドの時は左手で低音部のルートを弾かないようにすれば良いでしょう
ギターもまずはバレーで6弦コードを覚え、バンドの時はオミットしていく方法が良いと思います


■ バンド演奏時のコツ

ベースラインのかぶりに注意すると同時に鍵盤楽器とギターのぶつかりにも注意します
両者ともメロディ楽器であると共にハーモニー楽器でもあります
和音を構成するにあたり過度の厚みを持たせすぎない事や
コードの1番高い音を両者で一致させない事等の配慮が必要です
(意図的に合わせる場合もあります)

ピアノで和音を弾く場合はギターでは単音ピッキングをするとか
ギターがカッティングならピアノはアルペジオを弾く等が良いと思います


■ コードの転回

「C」コードは「CEG」の音で構成されています
右手で3音を弾く場合音程の低い方から「CEG」「EGC」「GCE」の3種類が考えられます
4音のコードでは4種類になります
ひとつのコードを色々な転回で弾けるようになる事でスムーズなコード移動が可能になります

例:「
」→「」を弾く際は 「CEG」→「FAC」 よりも 「EGC」→「FAC」 の方が自然です


■ コード移動の際は音程の近い箇所での転回コードを使用するのがベストです



■ Cの家族

今回はそれぞれのキーの構成を家族に例えて説明したいと思います
下図は「キーC」のダイアトニック・コードで全て白鍵で構成されています
下3音のコードと4音のコードを確認して下さい


これが「Cの家族」です
「サークルオブフィフス(五度圏)」を使って家族構成を詳しく説明します



上の図から「C」の家族だけを切り取ったのが下図です
2階には父親の「C」と二人の息子「F、G」の明るい男性陣がいます
1階には母親の「Am」と二人の娘「Dm、Em」の暗い女性陣がいます
更に「はなれ」には祖父の「Bm7-5」がいます
この7人が「C」の家族構成だと覚えて下さい



ローマ数字は「父親をT」とした時の各家族の数値表記です
2階の明るい男性陣はメジャー(長調)、1階はマイナー(短調)と
それぞれのキー(調)を表現しています

キーがCの時には「C音」をルートと学びましたが
「C」というコードの時は「C」を「トニック」と言います
二人の兄弟のうちWの「F」を「サブドミナント(略:サブドミ)」、Xの「G」を「ドミナント」と言います
X7のコード「G7」は「ドミナントセブン」としてよく出てきます
マイナーキーの時は「Am」が「トニック」、「Dm」が「サブドミ」、「Em」が「ドミナント」になります
それぞれ上の図で位置関係を確認して下さい

では「C」以外のキーでも見てみましょう
「サークルオブフィフス」の表を回転させた「F」の家族です



キー「C」で父親だったトニックの「C」はここでは「F」の息子(ドミナント)になります
コードは同じでもその立場は全く別のものになります

印刷用の大きなサイズの サークルオブフィフス をUPしておきます
不要な無地CDに印刷すればとても便利に使えますので利用して下さい
なお一般的には「C」の右に「G」、左に「F」を配置している図が多いのですが
鍵盤楽器で考慮すると右が「F」の方がしっくり来るので自作しました



■ 五度圏詳細

サークルオブフィフス(五度圏)を把握すればコードの仕組みがよくわかるようになります
また作曲・編曲をしたり、伴奏をつけたりする場合に大いに重宝します

五度圏を見ると簡単にわかるキー(調)の話をします
まず「C」というキー(ハ長調)では「#」「♭」が1個もつきません
これは鍵盤でドレミファソラシドを弾いた時、黒鍵を使わないという事です
そこで五度圏を回転させて「F」キーにします
このキーは「♭」が1個で成り立っています
さらに回転させて「B♭」キーでは「♭」が2個というように
C→F→B♭→E♭→ と移動する度に「♭」が1個ずつ増えていきます
逆に左のG→D→A→ と移動すると「#」が1個ずつ増えていくのです

五度の補足をしておきます
「C」から見て「G」 は 「完全5度上」=「完全4度下」
「C」から見て「F」 は 「完全4度上」=「完全5度下」


前回説明したようにそれぞれのキーの基本家族は「7人構成」です
この表では「Z」は省いていますが、「7人」をしっかりと覚えて下さい

キー(調)のおさらいをしておきましょう
ハ長調=Cメジャー、イ単調=Aマイナー で
表示はそれぞれ 「C」 「Am」
発音は「シー」 「エーマイナー」

前回に引き続き「Cの家族」を切り取りました
いつも同じ格好ではなく、たまにはお洒落もします
下図の赤色で示したものは頻繁に使われるお洒落をしたコードです
ここでは「6度」と「7度」だけ表示しましたがその他のコードも試してみて下さい






■ 代理コード

代理コードを追求していくととんでもなく奥が深く難しいので
ここでは目で見て確認出来る程度の簡単な代理コードの説明をします

前にコードの転回を説明しましたが、「異名同音」ならず「異名同コード」があります
「C」の家族で言うと「C6」と「Am7」がBassラインを除けば同じコードです


赤の「C6」 青の「Am7」を転回すると黄色の位置になります
図で見ると一目瞭然ですが両者は全く同じコードなのです
コードネームはBass音でどちらかの表示となります

つまり 「T6」=「Ym7」 という事です
ギターでもバレーが苦手な場合は「F6」の代わりに「Dm7」を弾いてもいいのです
五度圏で確認すればわかりやすいかと思います
家族で言うと、2階の「父6」は1階の「母m7」と似たもの夫婦といったところでしょうか
まあ似たものと言うより「瓜二つ」なのですがw




他にも「T△9のルートを省いたコード」=「Vm7」 なので 「C△9」=「Em7 onC」



「T7-9のルートを省いたコード」=「Vdim」 なので 「C7-9」=「Edim onC」


ルートは左手(ベーシスト)に任せて右手でコードを転回させる事で色々な発見があると思います
このようなコード・転回を覚える事で、作曲・編曲をする時やバンド演奏時にも、かなり役立ちます


add(additional・アド)
付け加えるの意、付加音
Cadd9、C(9)と表示(Cコードに9度を加える)



弾くポジションですが9度だからと言って一番高い音で弾く必要はなく2度の位置でも良い
ただ音が集まりすぎるので、C音のみ1オクダーブ下げる等、音の分散を心がけます

C9 との違い
C9 = C79(通常7は省略して表示する)




■ Csus2



昔はこんな表示はしませんでしたが現在ではけっこう使われるようになりました
C(9)との違いは3度の音=Eが入らないという点です
昔ならさしずめ「C(9)omit3」とでも表示したでしょうが「Csus2」の方がわかりやすいですね
「Csusu4」→「C」→「Csus2」→「C」 のようなコード進行で使われます

以前「Cmsus4」と書いてあるのをどこかで見ましたが、これは使わない表現です
この場合は「Cm(4)」か「Cm(11)」とすべきですね
「sus」コードはメジャーコードと覚えておきましょう



■ 音の付加

ジャズやポピュラー等の曲を弾く時、指定されたコードだけでは物足りません
特にジャズの場合は「代理コード」や「テンション」を弾くための勉強が必要ですが
ここでは「C」=「C6」のように1音付加させる程度の簡単な説明をします

「キーC」の時の付加させたいコードをまとめました
「=」はどんどん使用すべきコード
「≒」は流れに合っていれば使うコード



「=」関係にあるコードは「使ってもいいよ」的ではなく
「どんどん使え!」「使わなきゃダメ!」レベルであるという事です
ピアノのバッキングは弾き方が難しいです
パターンをたくさん覚えていないと手持ち無沙汰になりがちです
そんな時に「C」「C6」「C6(9)」等を混ぜる事でパターンも増え音に幅も出ます

後はコードの流れを見つける事です
「Am」→「F」という進行があったなら「Am」→「Am7」→「F」とします
「C」→「Dm」→「G」なら「C6」→「C」→「Dm」→「Dm9」→「G」とし
1番高い音を「ラソファミレ」と流れるようにコードを進行させるのも一案です

まずは今まで指定されたままに弾いていたコードに
少しずつ付加させて練習してみて下さい



■ まとめ

数回に渡って説明してきた「コード」ですが難しかったでしょうか
よくわからないという人は最初から何度も読み返して下さい
コードの丸暗記は絶対にせず、仕組みをしっかり把握して下さい